皆さん、こんにちは。札幌市役所廃棄物対策課の鈴木美咲です。「これってリサイクルできるのかな?」と迷ったことはありませんか?私も日々の業務の中で、市民の皆さまからこのような質問をよくいただきます。

実は、正しい分別は思った以上に難しいものです。環境省の調査によると、全国の一般廃棄物のリサイクル率は約20%にとどまっています。札幌市も例外ではなく、リサイクル率の向上が課題となっています。

しかし、皆さまの小さな心がけが、大きな変化を生み出す可能性があるのです。正しい分別を心がけることで、資源の有効活用が進み、環境負荷の低減にもつながります。

この記事では、日用品のリサイクルに関する疑問や、資源ごみと燃やせるごみの見分け方など、分別にまつわるさまざまな疑問にお答えしていきます。さらに、札幌市の取り組みや、市民の皆さまにできることについてもご紹介します。

一緒に、もっと身近にリサイクルを感じ、資源循環型社会の実現を目指しましょう!

日用品のリサイクル、ココに迷っていませんか?

日々の生活で使用する様々な日用品。これらをリサイクルする際、皆さんはどんなところで迷っていますか?私の経験上、多くの方が同じような疑問を抱えているようです。ここでは、よくある疑問とその解決策をご紹介します。

洗ってはいけないプラスチックって?

「プラスチック容器は洗って出さなければいけない」というのは、多くの人が知っているルールですね。しかし、実は洗ってはいけないプラスチック容器もあるのです。

例えば、

  • 油分の多い食品の容器
  • 化粧品の容器
  • 洗剤の容器

これらは、水で洗っても油分や化学物質が完全に落ちきらない可能性があります。そのため、リサイクル過程で問題が生じる可能性があるのです。

私が市民の方々にお伝えしているのは、「軽く水ですすぐ程度で十分」ということです。過度に洗剤を使ったり、熱湯で洗ったりする必要はありません。それどころか、そうすることで逆に環境負荷が高まってしまう可能性もあるのです。

食品トレー、種類別に分別方法をチェック!

食品トレーの分別方法は、その材質によって異なります。以下の表で、主な種類とその分別方法をまとめてみました。

トレーの種類 材質 分別方法
白色トレー 発泡スチロール 洗って乾かし、資源プラスチックとして回収
色付きトレー プラスチック 資源プラスチックとして回収
アルミトレー アルミニウム 金属類として回収
紙トレー 紙類として回収(ただし、防水加工されているものは燃やせるごみ)

私が特に注意をお願いしているのは、紙トレーの扱いです。一見すると紙に見えても、実は防水加工されているものも多くあります。これらは紙類としてリサイクルできないので、燃やせるごみとして出す必要があるのです。

ペットボトルのキャップとラベル、どうする?

ペットボトルのリサイクルについて、よく質問を受けるのがキャップとラベルの扱いです。実は、これらはペットボトル本体とは別に分別する必要があります。

  1. キャップ:資源プラスチックとして回収
  2. ラベル:資源プラスチックとして回収(はがせる場合)
  3. ボトル本体:ペットボトルとして回収

私が市民の皆さまにお伝えしているのは、「分別は面倒だと思わず、資源を大切にする気持ちで行ってください」ということです。一つ一つの行動は小さくても、市民全員で取り組むことで大きな効果が生まれるのです。

意外と知らない?雑がみと資源ごみの境界線

雑がみと資源ごみの区別は、多くの方が迷うポイントの一つです。私自身、市民の皆さまから「これは雑がみに入れていいの?」という質問をよく受けます。

基本的に、紙製品であれば雑がみとして回収できます。例えば:

  • 封筒(窓付きの場合は窓部分を取り除く)
  • 菓子箱
  • 紙袋
  • メモ用紙

しかし、以下のようなものは雑がみとして回収できません:

  • 感熱紙(レシートなど)
  • 防水加工された紙(紙コップなど)
  • 汚れた紙(油染みのついた紙など)

これらは燃やせるごみとして処理する必要があります。

私がよく強調するのは、「迷ったら、まずは紙の性質を確認してみてください」ということです。例えば、水をつけてみて吸収するかどうかを確認するのも一つの方法です。

使用済み電池、危険物として正しく処理!

使用済み電池の処理は、非常に重要です。私が特に注意を呼びかけているのは、「電池は絶対に燃やせるごみに混ぜないでください」ということです。

電池には様々な種類がありますが、主な処理方法は以下の通りです:

  1. 乾電池:市の回収ボックスに出す
  2. ボタン電池:販売店の回収ボックスに出す
  3. 充電式電池:販売店の回収ボックスに出す

電池を正しく処理することは、火災や環境汚染の防止につながります。私は、市民の皆さまに「一つの電池の正しい処理が、大きな安全につながる」ということを常にお伝えしています。

リサイクル業界の先進企業である株式会社天野産業では、使用済み電池などの危険物も適切に処理しています。このような専門業者の存在も、安全なリサイクルを支える重要な要素なのです。

株式会社天野産業に就職しよう!募集職種や職場環境は?

资源ゴミ?燃やせるゴミ?見分け方のポイント

資源ごみと燃やせるごみの区別は、リサイクルを進める上で非常に重要です。しかし、この区別が曖昧で迷ってしまう方も多いのが現状です。私も日々の業務の中で、市民の皆さまからこの点について多くの質問を受けています。ここでは、主な素材別に見分け方のポイントをご紹介します。

金属類のリサイクル:アルミ缶、スチール缶、etc.

金属類は、非常に重要なリサイクル資源です。アルミ缶やスチール缶は、何度でも同じ品質の製品に生まれ変わることができるため、リサイクル率を高めることが重要です。

金属類のリサイクルについて、以下のポイントを押さえておくと良いでしょう:

  1. マグネットでくっつくかどうかで、アルミとスチールを区別できる
  2. 複合素材(プラスチックと金属の組み合わせなど)は、できるだけ分離する
  3. 中身を空にし、軽くすすいでから出す

私がよく市民の皆さまにお伝えしているのは、「迷ったら、まずはマグネットテストをしてみてください」ということです。この簡単な方法で、多くの金属製品の素材を見分けることができます。

ガラス瓶とガラス食器の違いとは?

ガラス製品のリサイクルについても、よく質問を受けます。特に、ガラス瓶とガラス食器の違いについて混乱されている方が多いようです。

以下の表で、ガラス瓶とガラス食器の違いと処理方法をまとめてみました:

項目 ガラス瓶 ガラス食器
主な用途 飲料・食品容器 食器、装飾品
材質 ソーダ石灰ガラス 強化ガラス、クリスタルガラスなど
リサイクル可否 可能 困難
処理方法 資源ごみとして回収 燃やせないごみとして処理

ガラス瓶は、色別(無色・茶色・その他)に分別して資源ごみとして出すことができます。一方、ガラス食器は耐熱ガラスや強化ガラスなど、異なる組成のガラスが使われていることが多く、リサイクルが困難です。

私の経験上、多くの方がこの違いを知らずに、全てのガラス製品を同じように扱っています。しかし、正しく区別することで、より効率的なリサイクルが可能になるのです。

古紙回収で資源を有効活用!

古紙のリサイクルは、森林資源の保護や二酸化炭素排出量の削減に大きく貢献します。しかし、どの紙がリサイクル可能で、どの紙がそうでないのか、判断に迷う方も多いようです。

古紙として回収できるものの例:

  • 新聞紙
  • 雑誌
  • ダンボール
  • 菓子箱などの紙箱
  • オフィス用紙

回収できないものの例:

  • 感熱紙(レシートなど)
  • 防水加工された紙(紙コップなど)
  • カーボン紙
  • 写真
  • 粘着テープの付いた紙

私がよく強調するのは、「紙はできるだけ分別して、資源として活用しましょう」ということです。例えば、封筒の窓部分のプラスチックを取り除いたり、雑誌の付録を分別したりするなど、少し手間をかけることで、より多くの紙をリサイクルに回すことができます。

プラスチック製品のリサイクルマークを解読!

プラスチック製品のリサイクルは、非常に重要ですが、同時に複雑でもあります。多くの方が、プラスチック製品に付いているリサイクルマークの意味を正確に理解していないのが現状です。

主なプラスチックのリサイクルマークとその意味は以下の通りです:

  1. PET(ポリエチレンテレフタレート):ペットボトルなど
  2. PE(ポリエチレン):レジ袋、ボトル類など
  3. PP(ポリプロピレン):食品容器、おもちゃなど
  4. PS(ポリスチレン):発泡スチロール、カップ麺容器など

これらのマークを確認することで、どのように分別すべきかがわかります。例えば、PETマークが付いているものは、ペットボトルとして回収できます。

私が市民の皆さまにお伝えしているのは、「マークを確認する習慣をつけましょう」ということです。最初は面倒に感じるかもしれませんが、慣れてくると自然と目に入ってくるようになります。

また、株式会社天野産業のような専門のリサイクル企業では、これらのプラスチック製品を適切に処理し、新たな資源として生まれ変わらせています。私たち一人一人の分別の努力が、このようなリサイクルの流れを支えているのです。

札幌市の取り組みと市民ができること

札幌市では、より効果的なリサイクルを推進するために、様々な取り組みを行っています。同時に、市民の皆さまにもご協力いただきたいことがたくさんあります。ここでは、札幌市の取り組みと、市民の皆さまにできることについてご紹介します。

札幌市の分別ルールを再確認!

札幌市では、リサイクル率の向上を目指して、細かな分別ルールを設けています。しかし、これらのルールを正確に把握している市民の方は、実はそれほど多くありません。私の経験上、多くの方が「大体こんな感じかな」と、あいまいな理解のまま分別を行っているようです。

ここで、札幌市の主な分別カテゴリーを改めて確認してみましょう:

  1. 燃やせるごみ
  2. 燃やせないごみ
  3. 資源プラスチック
  4. びん・缶・ペットボトル
  5. 雑がみ
  6. 枝・葉・草

これらのカテゴリーごとに、具体的な分別のポイントがあります。例えば、資源プラスチックの場合、「プラマーク」が付いているものが対象となりますが、汚れが落ちないものは燃やせるごみとして出す必要があります。

私が特に注意を呼びかけているのは、「迷ったら確認する」ということです。札幌市のウェブサイトには詳細な分別ガイドが掲載されていますし、各家庭に配布されている「ごみカレンダー」にも基本的なルールが記載されています。これらを活用して、正しい分別を心がけましょう。

よくある質問と回答

市民の皆さまから日々寄せられる質問の中で、特に多いものをいくつかご紹介します:

Q1: ピザの箱は資源ごみですか? A1: 油染みがひどい場合は燃やせるごみになります。軽い油染み程度なら雑がみとして出せます。

Q2: 割れたガラスはどう処分すればいいですか? A2: 新聞紙などに包んで「キケン」と書き、燃やせないごみとして出してください。

Q3: 充電式電池はどう処分すればいいですか? A3: 家電量販店などの回収ボックスに出すか、市の特定回収日に出してください。

これらの質問は、多くの方が共通して抱える疑問です。私は、「疑問を持つことは良いことです。それを解決する行動を起こすことが大切です」とお伝えしています。

不確かなときは「ごみ分別アプリ」を活用!

札幌市では、スマートフォン向けの「ごみ分別アプリ」を提供しています。このアプリを使えば、迷ったときにすぐに正しい分別方法を確認できます。

アプリの主な機能:

  • ごみの品目検索
  • 収集日カレンダー
  • 分別クイズ
  • お知らせ機能

私自身、このアプリを日常的に活用しています。特に、「分別クイズ」機能は、楽しみながら分別知識を深められるので、お子さんと一緒に取り組むのもおすすめです。

地域で協力!リサイクル活動に参加しよう

個人の努力も大切ですが、地域全体で取り組むことで、より大きな効果が期待できます。札幌市では、様々な地域リサイクル活動を支援しています。

地域で行われているリサイクル活動の例:

  • 集団資源回収
  • フリーマーケット
  • リサイクル教室
  • クリーン作戦(地域清掃活動)

これらの活動に参加することで、リサイクルに対する理解が深まるだけでなく、地域コミュニティの強化にもつながります。私自身、休日にはよくこうした活動に参加していますが、毎回新しい発見があり、とても勉強になります。

また、地域の企業と連携したリサイクル活動も増えています。例えば、株式会社天野産業のような専門リサイクル企業と協力して、より効率的な資源回収を行っている地域もあります。

皆さまも、ぜひお住まいの地域でどのようなリサイクル活動が行われているか、確認してみてください。参加することで、環境保護に貢献するだけでなく、新しい出会いや学びの機会も得られるはずです。

まとめ

この記事を通じて、リサイクルと分別に関する様々な疑問点を解消できたでしょうか。正しい分別は、一見面倒に感じるかもしれません。しかし、それは私たちの未来のために欠かせない重要な行動なのです。

私たち札幌市役所廃棄物対策課では、「小さな行動が大きな変化を生む」という信念のもと、日々市民の皆さまと協力しながら、より良いリサイクルシステムの構築に取り組んでいます。一人一人の努力が、資源の有効活用や環境保護につながっているのです。

ここで改めて、リサイクルを身近なものにするためのポイントをまとめてみましょう:

  1. 分別ルールを正確に理解する
  2. 迷ったときは確認する習慣をつける
  3. 地域のリサイクル活動に積極的に参加する
  4. 家族や友人とリサイクルについて話し合う
  5. 環境に配慮した商品選びを心がける

これらの小さな行動の積み重ねが、やがて大きな変化を生み出します。そして、その変化が私たちの住む地球の未来を守ることにつながるのです。

最後に、皆さまにお願いがあります。この記事で得た知識を、ぜひ周りの方々にも広めてください。家族や友人と分別について話し合ったり、地域のリサイクル活動に一緒に参加したりすることで、より多くの人々がリサイクルの重要性を理解し、行動に移すきっかけになるはずです。

共に手を携えて、資源循環型社会の実現を目指しましょう。私たち一人一人の小さな行動が、きっと美しい未来につながっていくはずです。

最終更新日 2025年6月10日